♡サイレント型エストロゲンは変化する♡

ハナビラタケの成長の過程で、サイレント型エストロゲンは変化する

 

1.女性ホルモン「エストロゲン」の重要性

「エストロゲン」は、女性の健康、美容、精神衛生の維持に大きな役割を果たしている成分です。髪や肌にハリ潤いを与えたり、抗酸化力を上げる働きをして、年齢に負けない健康と美しさを維持するために重要な役割を担うのです年齢と共に減少し、40歳を超えるあたりから減少が顕著になります。更年期障害や骨粗しょう症など、その減少により「老化」に強く影響する非常に重要な成分なのです。

 

2.エストロゲン量を維持する方法は?

加齢により減少するエストロゲンを維持するためには、その不足分を補充する方法が考えられますただし、エストロゲンは、体内で女性ホルモンとして生成・分泌されるため、外部から同一のものを摂取することはできません。そこで、エストロゲンに近い働きを持つ成分を外部から摂取し補うわけです。その補充する成分の代表に大豆から取れるイソフラボンなどがありますが、実はイソフラボンがそのままエストロゲンの代用にはならないのです。

 

イソフラボンは接種後に腸内細菌の働きで分解された後にエストロゲンの代わりになる物質が生成されるのですが、この成分を生成できるヒトは二人に一人らしいのです。最近では、腸内で吸収可能な成分自体をサプリメントとして提供しているのは、このためです。

 

3.意外と知られていないエストロゲンの怖さ

エストロゲンにはエストロゲン活性ともいい、前述のように女性の若さを維持するために重要な働きがあります。その活性の中に「細胞の増殖を助ける」働きがあります。しかし、この細胞の増殖させる作用は、実は身体に悪く働いてしまうことがあります。 

 

ヒトの細胞はどうしても少しは癌化するのですが、体内では免疫などの機能により抑えられバランスが保たれています。エストロゲンは、この癌細胞など悪い細胞を増殖させるため、免疫とのバランスが崩れると癌が勝ってしまい病になりますエストロゲンの注意が必要な部分です。

 

4.細胞を増殖させにくいエストロゲン

エストロゲンの作用は、老化と密接にあるためどうしても維持したい、しかし癌化が怖いと思ってる方は多いと思います。ここまでは、多くの方が知っている事実ですが、それでは、細胞増殖が弱いエストロゲンが見つかれば、それは救世主のようなものに見えるでしょう。実際に、自然界では細胞増殖が弱いエストロゲン(以下、サイレント型エストロゲン)が多く存在していると考えられています。

 

しかし、ここに問題があります。このエストロゲンを見つけて特定することが難しいのです。

 

5.サイレント型エストロゲンが見つけにくい理由

本来、エストロゲンを評価する場合、その活性度を細胞増殖で判別します。そのため、エストロゲンと認められているものは、どうしても細胞増殖の機能がついてくるわけです。どうすれば、細胞増殖が弱いエストロゲンを見つけることができるのでしょうか。

 

6.一つの謎解き

キノコには不思議な作用を持つものが多いのですが、特に癌の抑制に関与していると考えられるものがあります。この癌化抑制の理論は、正直なところ仮説でしかないのですが、それでも一定の成果が確認できるため、口コミ的に話題になっている場合があります。そして、不思議なことに、エストロゲンの作用が確認されるものも存在しているのです実際に、動物実験や臨床などのデータから、謎がでてくることも多いわけです。

 

キノコは、植物でも動物でもない、菌類に属します。この中間的な進化から発生する特殊な物質があってもおかしくありません。癌化を抑え、エストロゲン活性を持つという、本来は矛盾するような成分を、その細胞内に有しているのでしょうか?

 

7.サイレントエストロゲンを見つける

普通では検査ができないサイレント型エストロゲンですが、それを国立産業技術総合研究所(以下、産総研)が研究していました。可能性のあったキノコの成分を、産総研で開発されたDNAチップ(DNAマイクロアレイアッセイ)を使い、エストロゲンに応答する遺伝子を解析した結果、サイレントエストロゲンが確認できました。

 

8.不思議なキノコ

このサイレント型エストロゲンが確認できたキノコは、ハナビラタケと言いいます自然界では、低温低湿度、高温高湿度のどちらかなのですが、このキノコは、低温高湿度という、非常に矛盾した環境で育ちます。また、キノコは菌類であるため、カビなどの菌と戦うための機能を持っているものですが、このハナビラタケは戦う機能がなく、カビなどが育たない悪環境で解毒により育成するという不思議な進化をしたキノコです。

 

この環境というのは、標高2000メートル以上の日陰で風通しが良い、針葉樹の森の湿った場所となります。通常では、そのような条件の場所は非常に少なく、それゆえ、このキノコを天然で見つけることは殆どなく、幻のキノコと言われているわけです。こういう特殊な環境での進化から、細胞内には不思議な成分ができたのかもしれません。

 

9.成長の過程で、サイレント型エストロゲンは変化する

ハナビラタケはβグルカンで有名ですし、その研究が殆どです。そのためβグルカンの含有率を上げる工夫が行われています。しかし、このβグルカンとサイレント型エストロゲンは、育成について全く異なるものです。胞子が菌糸体へ、そして子実体になり発生(胞子が拡散できる状態)へと数段階の成長があるのですが、その中でサイレント型エストロゲンが発生できるのは、特定の時期なのです。それがどこなのかを理解していないと、ハナビラタケなら何でも大丈夫というわけではないのですこの研究が、サイレント型エストロゲンには重要なのです。

 

 

サイレント型エストロゲンをハナビラタケに見出した研究が、如何に重要であるかというわけです