先生、ハナビラタケってどんなキノコですか?
通常、キノコには傘があるイメージですよね。でもハナビラタケは白く花が咲いたような形をしてます。 下の写真がハナビラタケですよ。
普通のキノコとは全然違う形をしてますね。これ食べられるのですか?
はい。生で食べることもできるキノコで、特にすき焼きや火鍋など、鍋料理にして食べるのが人気みたいよ。
でも、スーパーなどで売っているのは見たことないかも。
そうなの。生産量が少なく、なかなか一般のスーパーでは売ってないそうよ。ちなみにエノキだと年間15万トンくらい生産されているけれど、ハナビラタケは100トン程度しか生産されていないのよ。また、山などで自生のハナビラタケを見つけるのも大変みたいよ。
へぇ~、珍しいキノコなのですね。
だから販売されているハナビラタケは、ほとんどが人工で栽培されているの。しかも、他の菌に弱いので栽培するのも大変で、生育時に他の菌が混入するとハナビラタケは全滅するくらいデリケートなキノコなの。だから無菌室で栽培したりなど、いろいろ手間が掛かるみたい。
私も食べてみたいなぁ?
私は鍋で食べたことがあるけれど、コリコリした食感でとてもおいしかったよ。
先生はハナビラタケのこと、知ってたんですか?
2016年に伊勢志摩サミットがありましたよね。その時のディナーの食材としてハナビラタケが採用されていたので知ったの。それでいろいろ調べてみたら、フランスや中国などでは高級食材として使われているそうよ。特に栽培期間が長いハナビラタケの方が肉厚で食感がいいみたいなの。
そうなんですね。ちなみにこのキノコはいつ頃から人工栽培されていたんですか?
約20年前の平成10~11年頃で、それから徐々にハナビラタケの栽培が広がっていったと言われています。
このキノコの特徴はなんですか?
そうですね、さっきも説明した通りキノコ自体の形もそうだけど、他のキノコに比べてベータグルカンの量が格段に多いということかしら。
ベータグルカンって何ですか?
食物繊維の一種よ。特にハナビラタケのベータグルカンはベータ1、3Dグルカンとも呼ばれ、免疫力向上や抗腫瘍効果を持つと注目されてるの。アメリカなどでは酵母由来のベータグルカンで様々な研究や成果発表がされてるの。
今度、私もネットなどで調べてみます。
そうね。だから、ハナビラタケを栽培しているところは、ベータグルカンの量を多くするための栽培方法を考えたりしているそうよ。他にも、パン酵母由来のベータグルカンや大麦由来のベータグルカンなど、量の多さや分子構造の差で差別化しようとしてるのよ。
さすが、詳しいですね。
ただ、いろいろ研究や臨床をしていたら、これはベータグルカンでは説明できないようなことがあったの。
それは、どんなことですか?
例えば、美肌効果かな。たしかに食物繊維が腸内環境を整えることで、美肌効果は考えられるけど、どうもそうではないように思ったの。それで、女子医大の先生に相談したところ先生達も同じ考えで、国の研究機関の産総研と東京女子医大の先生達と研究が始まったの。そして、やはり考えていたとおり、ベータグルカンとは違うものを見つけたのよ。
なんだったんですか?
それは、サイレントエストロゲンという新しいカテゴリーの細胞活性だったの。
サイレントエストロゲン?
そう、サイレントエストロゲン。
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★ハナビラタケってどんなキノコ?