食べ物は“もっとも優れた薬”


1982年、アメリカ国立科学アカデミーが「食と栄養とがん」という報告書を発表しました。脂肪の高摂取ががんを増加させることや、野菜、果物、全粒穀物を重視した食生活ががんの罹患率を低下させることを示したのです。

こうした研究の総まとめともいえるのが、1990年にNCI(National Cancer Institute:米国国立癌研究所)が発表した「デザイナーフーズ計画」(植物性食品によるがん予防)でした。

これにより、野菜、果物、穀類、海藻類などの植物性食品に含まれている成分から、がん予防効果が期待できるもの40種類をピックアップ、がんの抑制効果の高いものをランク分けして図に表したのが、「デザイナーフーズ・ピラミッド」で、上段ほどがん抑制効果が高いとされます。

これら植物性食品に含まれる化学物質のうち、約600種にがん予防効果の可能性が認められていますが、その代表的なのがカテキンなどのポリフェノール群や野菜、果物、海藻類に含まれるカロテノイド群、ハーブなどに含まれるテルペンなどの揮発性成分などです。

ここで野菜の消費量を日米で比較したものをみてみましょう。

アメリカでは、「1日5皿以上の野菜と果物をとろう」という「5 a Day(ファイブ・ア・デイ)」運動など、官民が共同で全国的運動を展開したのが功を奏して、国民の野菜と果物の摂取量は年々、増加しています。ところが、アメリカ人が野菜を多く食べるようになってきているのに対して、日本人は、その逆に野菜の消費量は減少傾向にあります。

 

ここまでアメリカで行われた食生活の重要性について述べてきましたが、東洋ではそれよりはるか以前、3000年前の中国の周の時代から今に至るも、「食べ物は、もっとも優れた薬である」という考え方が脈々と伝わってきています。

中国に伝わる中医学では、ふだんの食事によって「未病」(なんとなく不調や不快がある、病気になる手前の状態)を治し、病気になりにくい体づくりを指導する医者が、病気やケガを直す内科医や外科医よりもランクが上だとされ、もっともすぐれた医者として高い評価と尊敬を得てきた歴史があります。

古来より元気で長生きするためには、食生活が大事だということは、健康を考えるうえでは、いわば基本中の基本であったわけです。


私たちは、希少なキノコ「ハナビラタケ」から

サイレントエストロゲン」という新しいカテゴリーの

細胞活性を発見しました