健康に大きく作用する脂肪酸


コレステロールは、身体の細胞の膜を作ったり、脂肪の消化に役立つ成分の素ともなるため、身体にとっては大切な物質です。 しかし戦後、日本人の食生活はどんどん欧米化が進み、いまや、日本人の若年層においてはコレステロールの摂取量はアメリカよりも多くなっているほどです。

それに伴い、コレステロール値も年々、増加。現在はアメリカと変わらないほど多くなっています。

 

昭和20年代までは、日本では結核や脚気が国民病といわれていましたが、大阪万博の翌年にあたる1971(昭和46)年以降からは減少しました。 こうした背景には、日本人の食事が大きく変化して、一汁一~三菜の質素なごはん中心型から、ぜいたくなおかず多食型になったことと関係があると考えられます。

現在、日本人の死亡原因は、がん・心疾患・脳血管疾患が三大疾患となっていますが、これらの疾患は、近年、いずれも毎日の食事が欧米型に変化したのに伴い、とくに脂質(脂肪)やカロリーをとりすぎていることとの関係が指摘されているものです。

 

最近、コレステロール、中性脂肪以外に、脂肪酸が動脈硬化に関係していることがわかってきました。その中でも今回は脂肪酸についてお話していきたいと思います。 脂肪酸は、炭素、水素、酸素が鎖状につながった物質で、炭素の結合の仕方(二重結合)より「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」に分類されます。

 

特に二重結合がふたつ以上あるものは「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれ、体内では作られません。そのため食事から摂る必要があり、これは「必須脂肪酸」と呼ばれます。

そして、必須脂肪酸もω-〇系(オメガ〇系)という呼び方で分類されています。

ω-6系(オメガ6系)のAA(アラキドン酸)は、豚や牛のレバー、肉などに多く含まれ、体内に蓄積されやすい成分です。 ω-3系(オメガ3系)のEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液サラサラなどと言われるように体内にはとどまりにくい傾向にあり、青魚などに多く含まれています。

 

また、AAは熱・酸化に強く、アレルギー、炎症反応悪化、発がん促進作用、血栓性疾患発症などに関与する性質があるのに対して、一方のEPAは、熱・酸化には弱いけれども、アレルギー・炎症反応鎮静、発がん抑制作用といったものが認められています。

EPA 、AAともにリン脂質として体内の細胞膜にとり込まれますが、EPAを多く摂取すると、細胞膜にとり込まれていたAAと置き換えられます。その結果、EPAを豊富に含む細胞膜の構成に変わり、細胞膜の性質が変化すると考えられています。


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細胞活性を発見しました