病にも老いにも明るく向き合う


現在、私のクリニックでは、主にがん、心疾患、脳血管疾患の「三大疾患」などを含む病気を未然に防ぐことを目標に、個々人の体質、病気の状態病状に合った医療をめざしています。

言い換えれば、統合的なアプローチにより、「治療から予防へ」というパラダイムシフトを推し進めるのに、最適な医療をめざしているのです。

 

クリニックに来られている患者さんは40代~60代の方が大半ですが、なかには生まれながらのハンディキャップを背負っている方、70代以上の方も多く来院されています。

毎日、そうした患者さんたちと接しているなかで、例えば80歳を越えたあるご婦人は、「自分が長生きをして病院で診てもらうのが何だか申し訳ない」というようなことをたびたび、口にされています。

とても遠慮がちで、必要以上に「ありがとう、ありがとう」と身を縮めて頭を下げられる様子などを見ていると、いま、この高齢者といわれる方たちにとって、とても大切なことは、社会のなかだけでなく、たとえば同居している家族がいれば、家庭のなかにおいても、楽しく生活が続けられる、自分の居場所がしっかりあるかということです。

 

このようなお姿からは、生まれながらのハンディキャップを抱えて、このクリニックにカウンセリングを受けに通って来られている患者さんのケースをも思い起こされます。

 

そこに共通して感じるのは、その方たちは家庭や自分を取り囲む社会環境のなかで、ご自身のことを弱者であると思いこんでいないかというところです。

 

しかし、人間である以上、たとえハンディキャップを背負っていようと、ましてやいくら歳をとったからといって、小さくなって生きていかなくてはならない理由などないはずです。

 

ハンディキャップを抱えていたり、高齢者であるというために、遠慮がちに生きていかなくてはならない世の中は、どこかおかしいなぁと感じるのは私だけでしょうか。

 

確かに、病気をかかえていたり、歳をとれば、いろんな面で弱ってくるのはいたしかたないことでしょう。

でも、だからといって、体の全部が弱り、ダメになってしまうわけではありません。病に犯されていても、何歳になろうとも、ご自分のなかにはまだちゃんと機能する「グッド・ポイント」もたくさん残っているはずです。そうした「グッド・ポイント」と、病気や加齢によって弱ってしまった「ウイーク・ポイント」をちゃんと自覚して、自分自身とも、家族とも、社会ともうまく付き合っていくことができれば、病気があっても、老いても、それほど恐れるには及ばないのだと私は考えています。

 

いいところも弱いところも、全部ひっくるめてご自分の個性、財産としてみていけばよいのです。

ですから、人によって個人差はありますが、病気になったり、中高年のある年齢に達したら、そこでもう一度、ご自身をふり返って健康状態をチェック。食生活をはじめとしたライフスタイル全般を見直して、改善できるところは改善し、ご自身をリセットしていきましょう!――というのが私からの最大の提案です。


私たちは、希少なキノコ「ハナビラタケ」から

サイレントエストロゲン」という新しいカテゴリーの

細胞活性を発見しました