病気の予防は腸内フローラを整えること!


「腸は第二の脳」といわれるど、人間にとって大事な臓器。腸内環境が心身に及ぼす影響は、みなさんが想像されている以上に、大きなものがあります。

ポイントは、大腸内に生育している細菌などの腸内フローラの構成バランス。ここが健康を保つうえで、非常に大事な鍵を握っています。腸内細菌叢は、2キロといわれていますが、善玉菌が20パーセント、悪玉菌が10パーセント程度のバランスになっているのが理想的。残りの70パーセントは良い働きも悪い働きもする「日和見菌」が占めていることが良いとされています。

 

当クリニックの患者さんの食事の傾向をみても、同様のことが言えます。

しっかり定期的に受診し、健康管理に注意している方と、がんなどの病気のため事療法をしっかりおこなっている方は、いずれも脂肪の比率が低く、ゴールデンバランスに近い食事になっていますが、定期的に健診を受けないなど健康管理があまりできていない方と、食事のバランスを変えることができない方では、脂肪の摂取量が多く、一般的なバランスとほぼ同じか、もしくはより脂肪摂取が多い傾向がみられるのです。

 

人間の体はこのように、さまざまな細菌やウイルスと共存(ときには寄生虫が寄生することもありますが)、共生していると考えることができます。

善玉菌が優勢だと良い働きをしますが、悪玉菌が優勢になると腸内にある食べカスを腐敗させて、硫化水素やアンモニアなどの腐敗物質を生み、ガスや悪臭のもととなる物質を作り出し、これらが直接、腸管や内臓にダメージを与え、さまざまな病気に関与するわけですが、それにより、黄色ブドウ球菌などによる食中毒の原因となったり、皮膚などにも生育したりして、感染症の原因となるケースもみられます。

 

ここではとくに、腸内悪玉菌の代表的なものであるクロストリジウム菌の一部について述べていきます。

腸内細菌叢は、有害菌の増殖、発がん物質、細菌毒素などの発生を介して、粘膜バリア機能を低下させ、免疫力を落とします。これらが直接、腸管や内臓にダメージを与え、がん、認知症、自己免疫疾患など、さまざまな病気に関与するわけですが、このメカニズムの解明が、2013年にがん研究所によって、雑誌『Nature』に報告されました。

 

これによると、本人に合ってない食生活、運動不足、飲酒、重労働など生活習慣要因の悪化による肥満は、腸内細菌の理想的なバランスが変化することにより生ずる潜在感染から始まっていることが判明。そのメカニズムは、以下のようになっています。

悪玉菌の一部の、クロストリジウム属菌はデオキシコール酸を産生します。この菌はもともと不完熟堆肥で育てられた野菜などの食物を介して体内に入り込む物質で、かなり臭いです。抗生物質を投与しても、これをブロック、その後、一気に増殖して腸管の壁を傷めます。これが抗生物質を摂取後の下痢を起こす要因となります。

この菌が直積腸管に障害をもたらしたり、粘膜バリア機能低下をもたらしたりすることによる、免疫低下や、肝臓に循環して肝臓の細胞を劣化させ、最終的には肝硬変からがん化に至らしめるというようなことをもひき起こすのです。

 

この一部のクロストリジウム菌の潜在感染が免疫低下、肝機能低下を引き起こす原因となっているのは明らかなので、いわゆるメタボ体型の肥満体の方や脂質代謝の悪い方は、とくに注意が必要です。


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