不整脈の予防、脂肪の代謝は魚が大切


このまま日本人の魚(とくにEPAが豊富な青魚)の摂取量が減りつづけると、ますます日本人の心筋梗塞、脳梗塞などの疾病が増えていくのは明らかでしょう。

つまり、EPA/AA比の数値が低いと、炎症を起こしやすくなるということがあります。さらには血液が凝固しやすくなり、血管の動きが悪くなり、血流が滞る、不整脈、脂肪の代謝が悪くなるなど、ネガティブな要因が増えていきます。

 

近年、魚をあまり食べない年代の子どもたちにアトピー性皮膚炎が多くみられたり、日本全体に鬱やアルツハイマー病が増えたりしているのも、青魚が食卓に上る機会が減っていることと無縁ではないでしょう。

 

昨今、βアミロイドという、パーキンソン病やアルツハイマー病などの原因物質ではないかとされているタンパク質がありますが、このβアミロイドを蓄積させるタイプの人は、もとをたどると脂質代謝が悪い人だということができます。

つまり、そうした脂質の代謝のよくないタイプの人は、脂質が貯まらないような食事療法を取り入れるだけでも、パーキンソン病やアルツハイマー病の予防につながるわけです。

 

私の場合は複合型のとくに脂質代謝の悪いタイプですから、ストレスや食生活の乱れが、ストレートにこのEPA/AA比の数値に跳ね返るという自覚がありました。そこで、とにかくイワシをよく食べるようにしていた時期がありました。ところが、イワシには、よい油(善玉コレステロール=HDL)も多いですが、そうでない油(悪玉コレステロール=LDL)も含まれていて、私の場合は、そのよくない悪玉のほうが貯まりやすいというタイプでもあったわけです。

そこで今は、生のイワシは、週に一度にして、その分を青魚の油脂由来のサプリメントをとるように切り替えています。

 

当クリニックでの動脈硬化の内頸動脈経過による観察ではEPAの摂取&青魚の食事指導を行った例と、青魚の食事指導だけを行った例を比較すると、前者において内頸動脈の動脈硬化の改善がより認められました(図)。若い世代には食育を通して、もっと青魚を食べるようにすすめていきたいものですが、いろいろな事情でそれが難しい場合は、このようにEPAのサプリメントなどで補うとよいでしょう。


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